今年の3月からピッチフォークのYouTubeチャンネルが既存のrate系,演奏系動画に加えて、HOW TO/Breakdown系動画を公開し始めた。今年に関してはパッと見でも、そちらのほうが他よりも再生回数が多いし、更新頻度も多い印象。
このコンテンツによって、既存のピッチフォークファン以外の新しい視聴者を獲得できたのではないかと思う。自分自身、FINNEASのHOW TO動画がYouTubeのTOPにお勧めに表示されたことでその存在を知ったし、むしろその時点でようやくピッチフォークのチャンネルの存在を認識した。
HOW TO/Breakdwon系は、言葉だけのコンテンツよりも尺が稼げるし、画面上の要素も多く編集も時間がかかっていてルックも華やかで見ごたえがある。そのため自分のような第一言語が英語ではない視聴者もざっくりと楽しめるので、再生数が多いのは納得できる。
そしてYouTube上にあふれる大量の音楽ツール・制作関連広告との相性も良いはずだ。その多さはプロアマ問わず音楽制作をされている方なら実感しているはず。何度ティンバランドのツラを拝んだことか(※)。その異常な出稿社数と出現頻度は、今年DTMを始めたばかりの友人もとても驚いていた。
つまり音楽のHOW TO/Breakdwon系動画は、再生回数を稼げるだけでなく、関連性の高い広告がたくさんあり、メディアにとっては合理的で効率的なコンテンツ。その点は納得がいくものの、ちょっと疑問も残る。ピッチフォーク本来の特徴である第三者の視点・批評などがないコンテンツを自身のチャンネルで配信し始めた目的はそれ以外にもあるのだろうか。HOW TO動画自体はGeniusなど他チャンネルと被っており、ピッチフォークがわざわざ配信する内容でもない気がするし。日本に置き換えると、サンレコ的なコンテンツをミュージックマガジンが配信しているような感じかな。
今後、本体サイトのコンテンツの特色も徐々に変わっていくのだろうか。それとも単にYouTubeというプラットフォームに最適化した結果なのだろうか。もしくはコロナ禍で演奏動画などがアップできなくなったため生まれが流れなのかな。気になってます。
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can't talk verbally to you--