(Photo by Sara Kurfeß on Unsplash)
ストリーミング市場において、アメリカのTOP25位に位置するスーパースター達の再生数の割合が減少傾向にあるという調査結果と、上位に位置しないミドル層アーティストの再生数割合が増えるという見解が、ローリングストーン誌、ミュージックビジネス・ワールドワイドの記事に掲載されていました。
概要
ストリーミング再生の総数が前年同期比42%増にも拘わらず、アメリカのストリーミング市場におけるTOP50に位置する音源の再生総数が2017年から2018年にかけて4分の1に減少した。具体的には、TOP50の音源が占める再生数の割合は、17年の3.9%から18年に0.7%に減少したということ。
そして、ストリーミング再生数の上位25人のいわゆるスーパースター・アーティストたちは、2016年時点ではアメリカの全ストリームの12.8%を占めていたが、2018年までに11.04パーセントに低下している。
この差異である1.8%のシェアは、2018年において上位25に位置しないアーティストの再生数に充てられたことになり、ストリーム数にすると96億回分の再生に相当、アーティスト/レーベルの使用料に概算すると約3800万ドル(4.1億円)の価値がある。
こうした上位に位置しない『ミドル層』のアーティスト達を支援するのがデジタル・ディストリビューターAWAL。その親会社コバルトのCEO Willard Ahdritzの報告によると2018年にはおよそ2万人のアメリカ・カナダのアーティストが、音源によって年間で(おそらく一人当たり)数万から数十万ドルを生み出したとのこと。
さらにWillard Ahdritzは、上述した近年のトレンドを考慮すると、この数が今後5年から10年の間に3倍以上(6万人以上)になり、ストリーミングによってこの『ミドル層』に該当するアーティストよって稼がれる収益の総額は、スーパースター達よりも速く成長するであろうと予測している。
「我々は音源によってお金を稼げるアーティストが10万人存在する状況を作り出そうとしている」とCEOのAhdritzは自信を持って語る。
AWALの役割や位置づけは、以下エントリーに細かく記載しています。
参考2018 year end report U.S. MUSIC INDUSTRY CONSUMPTION
www.musicbusinessworldwide.com