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【お知らせ】Yetii - Farmer Gone To Heaven カセットテープリリースについて

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僕がメンバーのユニットYetiiのEP『Farmer gone to heaven』が、本日カセットテープとしてアメリカのCudighi Recordsよりリイシューされました。既存の6曲に加え、自分の新録リミックスが5曲追加され、実質アルバムサイズの音源となります。 

リリース概要

以下、Cudighi RecordsのBandcampから試聴とデータ版の購入が可能です。

Yetiiについて

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Yetiiは、2011年に東京で結成されたインディー・ユニットです。メンバーは、beipana(ラップスチールギター、プログラミング)と上原周太(ギター、バンジョー、コーラス、その他楽器)。2012年8月にデビューEP『Farmer Gone to Heaven』を自主リリース。ギターと打ち込みによるエキゾチカ、サイケデリック・カントリー・ダブという音楽性が特徴です。

レーベルCudighi Recordsについて

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2018年に創設されたベンジャミン・ヴァン・ハウが主催するミシガン州のインディペンデント・レーベル。アメリカ、ヨーロッパ、日本のエレクトロニクス・サイケデリックな音源を扱っています。

『Farmer gone to heaven』について

2012年8月にYetiiがCD形式で自主リリースしたEPの6曲をA面に、そして新たに制作したリミックス・バージョン5曲をB面に収録しています。ダウンロード・コード付きです。2012年のリリース時のコンセプトは、エキゾチカ、サイケデリック・カントリー・ダブ。2018年の新録版は、エレクトロニクス&サイケデリックというレーベル・カラーに揃えました。

※ CD版は現在売切れとなり、在庫は一切ありません。

カセット版のジャケットについて

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今回のカセット版の素敵なイラストを描いてくれたのはfkirt(フカーツ)くん。イエティというリクエストだけ出したらこんなに素晴らしいものを作ってくれた・・・感謝。

日本でのカセットテープの取り扱いについて

価格は1,000円(税抜)を予定しています。先日到着したばかりで、まだすべて自分の手元にあります。自分のDJやライブの物販時に持っていきます。数が非常に非常に少量になりますが、もし店頭での販売をご希望される方がいらしたらこちらまでご連絡いただけますと嬉しいです。

補足情報

以下、補足情報です。ご興味がありましたらお読みいただけると嬉しいです。

Yetiiを組んだきっかけ

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カントリーやオールディーズのような構成の曲を、ダビーな質感で完成させる」ということをやりたくて2011年に作ったユニットです。
メンバーの上原くんは大瀧詠一さん、細野晴臣さんを(狭山に住むほどに)溺愛しており、バンジョーやマリンバなど様々な楽器を扱え、オールディーズやカントリー、バカラックやビーチ・ボーイズに影響を受けたコード進行の曲を作れるため、構成部分を担当しています。
一方、自分はダブ、ダンス・ミュージックに傾倒した音楽遍歴で、そういった音源を作成していたこともあり、主に質感の部分を担当しています。

ライターの松永良平さんにインタビューいただいたこちらに細かい経緯も掲載されています。ありがたや。

d.hatena.ne.jp

halbyさんが2015年の作品リリース時にyetiiについて言及いただいてました。ありがたや。

mikiki.tokyo.jp

リイシューすることになった経緯

Bandcampのディスクリプションにも記載されている通り、オーナーのベン君が日本に滞在していた頃に偶然Yetiiを聴いたのがきっかけです。タオ・カフェさんありがとう。

鳥取市のタオ・カフェでYetiiの音楽を聴いたとき、このバンドをなんとか自分のレーベルに参加させたいと思いました。そして何ヶ月ものリサーチ、何度もの行き止まりに直面した末、遂に東京をベースに活動するこのデュオの片割れbeipanaとのコンタクトに成功しました。幸いなことに、彼は過去のYetiiのepを再リリースするだけでなく、アルバムとして完成させるアイデアを提示してくれるほど乗り気になってくれました。 

 

楽曲について

Farmer gone to heaven

2012年当時音源を出すにあたり、コンセプトを考える時間があまりなかったこと、『Grandfather of Idaho(アイダホのじじい)』という曲が既にあったことを踏まえ、シンプルに「アイダホに住んでる農夫のじいさんの1日(朝→昼→夕→晩)」をテーマにしました。

後述のPV内で登場する農夫のじいさんがゾンビ化していたので、きちんと成仏してくれや…という願いも込めて、EPのタイトルを『Famer gone to heaven』と名付けました。

#1. Grandfather of Idaho

最初に作った曲です。前述の「カントリーやオールディーズのような構成の曲を、ダビーな質感で完成させる」というコンセプトが最も反映された曲。ハイ・ラマズの『Over the River』を参考にしつつ、ブリッジの展開はビーチボーイズの『Cabin Essence』的な物悲しさを狙いました。

前述の松永良平さんのインタビュー記事で自分が「ceroに触発されて作った」と発言してますが「これのどこが…?」と突っ込みたくなる…。でも昔のceroはバンジョー持ってTake away showみたいなのやっててハイ・ラマズ感あったし、スタジオ・コーストで競演もしてたような。

VIDEOTAPEMUSICさんに2012年の1月にPV(この時点で音源はなかったので厳密にはプロモーションでもないんですが)を作ってもらいました。ありがたや。このバージョンは音源化されていないです。

www.youtube.com

#2. Screwed Boogie

スキットのような曲です。ドゥーワップ風のコーラスはThe Moonglowsの『Sincerely』、イントロのコード進行はThe Ink Spotsの『I don't want to set the world on fire』、Willie Nelsonの『Crazy』などで多用されているものからの影響です。こうした古典的な曲をスクリュー化(再生速度を遅める)したアレンジってないかもな、と思って作りました。

www.discogs.com

#3. 1864

「1864年にタイムトラベルしてリラックスした休日を過ごす」というテーマの曲。Mc-202で胡散臭いB級SF映画的なイメージを、メロトロンでノスタルジーを、そしてビーチ・ボーイズの『Holidays』で休日の自由を表現したマリンバでホリデー感を演出しています。

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コード進行は、バカラックやビーチ・ボーイズ、細野晴臣氏の曲で使用されているコードを組み合わせたようなものです。特にブレイクの部分のコード進行は細野晴臣氏の影響が強いです。

#4. Armchair Wave

スキットです。ネットで拾ったジョージ・ガーシュインのMIDIファイルをコラージュしまくってKORGのMono/Polyのソフトシンセで再生させました。曲名は、古典的な構成の音楽の参照として当時よく聴いていたマイケル・ハーレーの名盤『Armchair Boogie』より拝借。

www.discogs.com

カセットテープのイラストをフカーツ君に依頼したのは、このマイケル・ハーレーっぽいイラストをパーティーのフライヤーで描いていたからでした。

 

#5. Yetii's Chant

全く別の上原君の歌ものだった曲を、自分がバラバラに解体して再構成したものです。コード進行は、フレイミング・リップスの『It’s Summer』からも引用し、チャント的なアレンジは、これまたフレイミング・リップスの『Do You Realize』のこちらのライブ映像から影響を受けました。まんまですね。すいません。

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#6. Night Roof

自分が2006年くらいに初めて作った曲を再構成したものです。C→F→Am→Gという『No Woman No Cry』など名曲でよく使われるシンプルなコード進行を、フィッシュマンズ的、90年代オルタナティブ・ロック的なブレイクビーツ&ダブっぽいアレンジを施し、とにかくシンプルにエモい感じに仕上げました。曲名の「夜の屋上」は、川崎の工場の屋上で開催されていたレイブ・パーティー「DK SOUND」へのトリビュートの意味合いもありました。エモい↓

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B面に収録した『Night Roof (Lovers Rock Mix)』 は、その名の通りラヴァーズ・ロック・バージョンです。自分のソロライブで2016年頃から演奏しています。柔らかいけど太い音色のマシーン・ベースのレゲエ・スタイルは、エマーソン北村さんからの影響がとても大きいです。

B面について

#7. Grandfather of Idaho (Synth Dub Mix)
#8. Screwed Boogie (Acid Mix)
#9. 1864 (2018 Mix)
#10. Yetii's Chant (Synth Dub Mix)

今回のリイシューにあたり改めて音源を聴き直したところ、やり直したい箇所が多々あり、一度全曲ミックスとアレンジをしなおしました。そしてオーナーのベン君と相談した結果、オリジナルはそのまま残しつつ、アレンジし直したものをリミックス・バージョンとして仕上げようということになり、出来上がったトラック群です。

上述の『Night Roof (Lovers Rock Mix)』以外は、レーベル・カラーの「サイケデリック」と「エレクトロニクス」という側面をかなり強調したアレンジにしました。『Yetii's Chant (Synth Dub Mix)』は、出来上がりにとても満足しているのでぜひ聴いて欲しいです。

 


 

そんな感じです。作ってからだいぶ時間が経っていることもあり、淡々と説明できてしまった。2012年にEPをリリースした直後、オーストラリアに1年滞在したんですが、現地の人にこのEPを聴いてもらったところ、わりと無反応で「ああ、こりゃあダメなんだなあ」と思ってたんですが、今回のリリースで「そんなこともなかったのかなあ」と思ったり。

予想外のところから予想外のタイミングで予想外の展開が起きるものですね。全てをコントロールするのは難しいですが、いろいろやっておくといつか何か起きるのかも。